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OW-42X Mini Table


ミニテーブル三代目
十年後に花咲いた人気商品ミニテーブル

一昨年にドイツの展示会で、あるドイツ会社のブースにこのミニテーブルが展示されていた。
足を止めるとその会社のセールスマンがやってきて、このテーブルを私たちに売り込もうと、一所懸命その良さを説明した。
「あなたが模倣品を売ってるのです、それは私たちがデザインしたものです。」と言い返した。

それは2001年のことであった。
すでに二種類のスツールを持っている私たちに更に軽いミニテーブルがほしいという得意先からの要望があった。今まで開発したスツールが重いと言えば、脚部構造が重いからである。軽量化するためにその複雑な脚部を削るしかない。天板に足を内蔵することをまず決めた。

軽量で、小さく収納するためにはロール状天板に注目する。さまざまな規制の中に難点は二つがある。
一つはロール天板をフラットにする。二つ目はフラット状態でどう足をつけるか、ということ。

老舖銀座アスターで三日間かけて考えたのがこの構造であった。

それまで大体ロール天板下部に板やポールで垂直またはX状にクロスして支えていた。
思いついたのがロール天板を細い棒で貫通させる。それで天板がフラットになる。

 次に二つの外側ロール天板に開合自在の脚部を取り付け、開く時、脚部板が傾斜角度に合わせて、天板を貫通する細い棒の両端にある溝に嵌め込むことで細い棒にロックをかける。

この方法でテーブルは簡単に開閉できる。そして、開いた後も持ち上げてもバラバラにならない仕組みとなったのである。

一週間後、得意先に手作りサンプルを持って行った。
即決した。そして、得意先の提案で収納時の細棒を裏に固定し、脚部高さも二段にした。

合理的で誰でも使いやすい仕組みのこの商品は、じわじわと世界に広がり、
十年経って、いま、たくさんの模倣品が世界中に出回っている。